
こんにちは。たんたんまるです。
猫と夫と三人暮らしをしています。
仕事は現在は派遣社員として働いていますが、その前は3年半調剤薬局で働いていました。
調剤薬局事務といえば、最近女性に人気のお仕事ですよね。
これから取得するオススメの資格でもいつも上位に入っていますよね。
今は院内処方の病院は少なく調剤薬局に行く機会も増えているので、調剤事務の仕事は身近な存在で仕事内容もイメージしやすいと思います。
でも実際の仕事内容について、知っている方は意外と少ないのではないでしょうか。おそらく調剤薬局で働く人は皆さんの想像以上にさまざまな仕事をしています。
これから調剤事務の資格を取得しようとしている方も、事前に仕事内容を知っているほうが安心ではないでしょうか。
資格を取っていざ働いてみたものの、やっぱり想像と違っていたとなってはせっかく資格取得のために費やした時間とお金がもったいないです。
元社員として働いていた立場として、具体的な仕事内容をご紹介し、調剤事務の仕事への転職を考えている方のお役に立てればいいなと思います。
調剤薬局とは
そもそも薬局とは、 「薬剤師が販売又は授与の目的で調剤の業務を行う場所(その開設者が医薬品の販売業を併せ行う場合には、その販売業に必要な場所を含む。) 」と薬機法及びその他施行令他で定められています。
薬局開設にあたっては都道府県知事の許可を得なければいけません。
調剤薬局はその字のとおり、医師が発行した処方箋をもとに薬をその場で調剤して患者さんに提供する薬局ですが、調剤薬局のほとんどが保険適用を受けることができる「保険薬局」でもあります。
また薬剤師会では、かかりつけ薬局の選択基準になるように基準薬局制度をとっています。薬剤師会の基準を満たし認定を受けた保険薬局は「基準薬局」を名乗ることができます。「基準薬局」となっている多くの薬局は、入口付近に目印となる共通の看板等を置いています。
一方でドラッグストアは、薬局開設許可が得られない、調剤室がない店舗(一般販売業)や薬剤師がいない(登録販売者のみ)店舗のことを呼び、一般用医薬品、化粧品、一般雑貨、食品などを販売しています。
病院内で薬を出してもらえる院内処方の医療機関もまだ存在していますが、どんどん院外処方が進められて、今では病院の外にある調剤薬局で薬をもらうことが圧倒的に多いです。
ちなみに調剤薬局は病院の目の前にあることが多いですが、その病院の目の前にある調剤薬局のことを門前薬局と呼んでいます。

調剤薬局の仕事内容
●受付業務
患者さんが来られた際に受付業務を行うのは調剤事務の仕事です。
まず患者さんから処方箋を受け取り、初めて来られた方には、問診票に記入してもらい、保険証を提示してもらい受付を行います。
お子さんの薬をもらいに来た方には、保険証のほかに、受給者証を提示してもらうこともあります。
お年寄りでタクシーを希望されている方がいれば、タクシーを呼んであげたりもします。
最近の調剤薬局では、ポカリスエットなどの飲み物や子供用のお菓子や化粧品などを販売していることが多いですが、この会計を行うこともあります。
●処方箋内容をカルテへ入力
調剤薬局でも病院と同じく、患者さん一人一人にカルテが作られます。
カルテは病院と同様に電子カルテの場合もありますし、紙のカルテで管理している場合があります。
紙のカルテの場合は、レセプトコンピューター(いわゆるレセコン)を使い、患者さんの保険証の番号や住所などの情報や処方内容を登録し、専用の紙に印刷します。
患者さんが来ると、数あるカルテの中からその患者さんのカルテを出すとともに、レセコンに今回の処方内容を入力します。
今回はレセコンを使った紙カルテの場合でご説明します。
処方内容の入力の仕方は、とても簡素化されていて、薬名を数文字入力すると対象の薬名が表示され、その中から該当するものを選択します。薬を選択した後は、飲み方(錠数・日数・飲みタイミング)を入力します。
すると、自動的にその他に加算する点数が入力されます。
カルテにはこれまでの処方内容と、薬剤師がどのような指導をしたか、会計金額が記載されています。
薬が用意できると薬剤師は処方箋とこれまでの処方内容及び指導内容を確認しながら患者さんに薬を出します。
●薬袋、領収書の準備
レセコンに処方内容を登録すると自動的に薬袋(薬を入れる紙の袋)が印刷されます。薬袋には患者さんのお名前、処方された薬名、飲み方が書かれています。
その記載内容に間違いがないか、確認してから薬剤師に渡します。
もし記載内容に間違いがあると大変なことになります。
特に飲み方を間違えるのは危険です。
薬には一日に飲んで良い量が決められています。決められた量を超えて摂取すると命に関わることもあります。
ですので、事務と薬剤師と必ず二重チェックを行います。
また薬袋とともに領収書と明細書が印刷されるので、薬袋とセットで薬剤師に渡します。これも二重チェックします。
●カルテに入力した処方内容のチェック
薬剤師が患者さんに投薬を終えると、カルテが事務のほうに回ってきます。
処方箋と入力した処方内容や加算点数に間違いがないか確認をします。
間違っていなければ、カルテに今回の処方内容を印刷します。
レセコンでは、前回記入した続きから印刷できるよう設定されているので、印刷位置だけ指示すると、今回の入力内容をその位置から印刷することができます。
カルテを印刷した後は、薬剤師に回し、薬剤師はカルテに患者さんへの指導内容を手書きで記入します。
薬剤師が記入し終わったカルテは元の位置に戻します。
●薬剤補助
患者さんが多く、薬剤師の手が回らないときは調剤補助をすることもあります。
もちろん、粉薬や水薬の量を測ったりと資格を持った薬剤師しかできないこともありますが、シートに入った錠剤の薬を準備したりといった簡単な調剤を手伝うことがあります。
また患者さんが塗り薬を処方され、その塗り薬がクリームや軟膏を混ぜ合わせたものだった場合、その調合を行うこともあります。
その際は、混ぜる前に薬剤師が量を確認します。
ただし事務が調剤を行った時は、調剤内容が間違っていないか必ず薬剤師がチェックします。

●レセプト請求業務
レセプト請求業務は、調剤事務の仕事の中で一番重要な仕事といっても過言ではありません。
レセプトとは医療機関が健康保険組合に提出する月ごとの診療報酬明細書のことです。
患者さんは通常医療機関を受診した際、基本的にかかった費用の3割分しか負担しません。
では残りの7割分はどうしているんでしょうか。
それは、医療機関がその患者さんが加入している健康保険組合に請求しています。その請求時に提出する書類がレセプトです。
レセプトはひと月ごとに患者一人ずつに作成され、それを各健康保険組合ごとにまとめて提出します。
レセコンが集計業務を行ってくれるので、月末または月初に集計業務を行います。提出先は各健康保険組合ではなく、社会保険と国民保険に分けるだけでOKです。
集計ができたら、社保と国保のそれぞれにデータを送信します。
もし提出したレセプトの内容が間違っていると、返されます。
返されたレセプトは正しく訂正し、再度提出します。
レセプト請求することで、病院や調剤薬局は収入を得ているので、とても大切な業務です。
●その他雑務
もし薬局に在庫のない薬が必要になった場合は、近くの卸業者に直接取りに行くことがあります。薬剤師は患者さんに投薬しないといけないので、その時は事務が取りに行くことが多いです。
また薬局内の掃除は自分たちで行います。
足りない備品があれば、アスクルで注文したりと、色々な雑務を行います。

調剤薬局で働くメリット
調剤薬局は、個人経営が多くアットホームな雰囲気の店舗が多いです。
調剤事務の基本給は全体的に安めですが、業績が良ければ臨時ボーナスを出してくれたり、還元してくれることが結構あります。
残業も細かくつけれて、サービス残業もほとんどありません。
また飲み会も経営者がすべて負担してくれることが多いです。
午前中だけや午後だけのパート勤務も可能なことが多く、融通が利くので主婦の方でも働きやすいです。
それから、薬を直接購入させてくれたり、医師に処方された薬代を半額にしてくれたりと、経営者にもよりますが、良くしてくれます。
パート勤務から正社員になったり、逆の正社員から結婚を機にパート勤務になることも可能ですので、長く勤めることができます。
調剤薬局で働く際の注意点
調剤薬局は病院の目の前に位置していることが多いですが、営業時間も病院と合わせていることが多いです。
ということは、病院に患者さんがいれば、いくら営業時間を終了していても、閉店することができません。なので、自分のペースでかつ残業なく働きたい人には向いていないかもしれません。
また個人経営な分、経営者の考えと合わなければ、かなりストレスを感じることもあると思います。

まとめ
調剤事務の資格はだれでも取得することが可能で、チャレンジしやすい仕事だと思います。
業務内容も決して難しくはありませんし、安定した仕事を得ることができます。
求人も多いです。
臨機応変な対応を求められることが多いですが、人間的に成長することができます。
また薬に詳しくなれることも、個人的にすごく役立つと思います。
毎日患者さんと触れ合い、動きのある仕事がしたい人にはぴったりです。
資格が絶対に必要というわけでもありません。
どの都道府県でも調剤薬局はありますので、転勤族の方でも大丈夫です。
特にパートで働きたい方にオススメです。